〜国連決議の結果〜
2003年4月16日に、国連人権委員会は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の人権状況を非難し、日本人をはじめとする拉致問題の全面解決を要求した決議を賛成多数で採択しました。北朝鮮を非難する決議は欧州連合(EU)が4月10日に提出して、日本や米国も共同提案国として参加しました。 決議案には28ヶ国が賛成し、ロシア、中国、キューバなど10ヶ国が反対を表明しました。14ヶ国が棄権し、韓国は投票に参加せず欠席して意思表示をしませんでした。
「賛成の28ヶ国」は、アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、アルメニア、イギリス、ウクライナ、ウルグアイ、オーストラリア、オーストリア、カナダ、ガボン、グアテマラ、クロアチア、ケニア、コスタリカ、サウジアラビア、スウェーデン、チリ、ドイツ、日本、パラグアイ、ブラジル、フランス、ベネズエラ、ペルー、ベルギー、ポーランド、メキシコ でした。
「反対の10ヶ国」は、 アルジェリア、キューバ、シリア、ジンバブエ、スーダン、中国、ベトナム、マレーシア、リビア、ロシアでした。
「棄権の14ヶ国」は、インド、ウガンダ、カメルーン、コンゴ、シエラレオネ、スリランカ、スワジランド、セネガル、タイ、トーゴ、パキスタン、バーレーン、ブルキナファッソ、南アフリカ でした。
「欠席は1ヶ国」で韓国が欠席しました。(※1)
※1:◆ 臥 龍 通 信 第59号 ◆ 国連(連合国)問題と日本外交 〜各国の人権問題〜 ■2.なぜこんなに反対国、棄権国が多かったのか?■ 産経新聞はこの件をこう論じた。 そもそも、なぜこんなに反対国、棄権国が多かったのか。 外務省は「人権委の大半の国が国内に人権問題を抱えて おり、他国を非難すると自国に累が及ぶ。また、今回の決 議は欧州連合(EU)提出だが、途上国は旧宗主国である 欧米の価値観による決議には自動的に『ノー』となる」 (幹部)と説明する。中国は天安門事件やチベット問題、 ロシアはチェチェン問題を抱えているというわけだ。 ただ、外務省も手をこまねいてみていたわけではないと いう。外務省やEUの見立てでは今回の決議の賛否は当初 拮抗(きつこう)しており、採決に持ち込むため「国別に 細かい作戦を立てた」(外務省幹部)。 具体的な外交努力としてはジュネーブや相手国首都で賛 成を働きかけ、「七、八カ国が賛成に回った。普段は反対 票を投じる国が棄権に回った」(外交筋)との見方もある。 説得の際、ODA見直しに具体的に言及したケースもある という。[2] ODAを餌に「賛成を働きかけ」なかったら、「賛否は当初 拮抗して」いたので、否決された恐れもあったのである。こう してようやく成立した非難決議も、通常、会期中に百件前後、 提出される決議案の一つに過ぎない。 その後、人権委員会の作業部会では横田めぐみさんの母、早 紀江さんが証言したり、曽我ひとみさんの手紙が代読された。 それでも本年4月17日に2回目の北朝鮮非難決議が採択され た時も賛成29、反対8、棄権16で、賛成が1票増え、反対 が2票減ったに過ぎない。北朝鮮の人権問題を調査する特別報 告者の任命も初めて盛りこまれたが、北朝鮮は従来からそうし た特別報告者の受け入れを拒んでいるので、実現は期待薄であ る。 ■3.人権委員会は人権問題に貢献できるのか?■ 以上の経過から浮かび上がってくる人権委員会の実像とは: ・中国やロシアなど多くの参加国は、自国内の人権問題に波及 しかねない決議には反対する。 ・そのためには、北朝鮮国民の悲惨な人権状況にも、日本人拉 致という明確な人権侵害にも、非難の声をあげない。 ・たとえ非難決議が採択されたとしても、ほとんど実効を持た ない。 こんな人権委員会が、はたして拉致問題の解決、いや広くは 世界の人権問題の解決にいささかでも貢献できるのだろうか? 53カ国もの国々から多くの代表が集まってこの有様では、壮 大な費用と時間のムダとしか言えないのではないか? しかし、これは人権委員会だけの問題ではない。そもそも国 連の中心的機関たる安全保障理事会ですら、その実態は同様な のである。(※2) ※2:国連幻想−国際派 〜日本の外務省〜 国内:外務省がODAを増やしたい本当の理由? 〜参考〜 「救う会」全国協議会 ●周りの国はすべて敵?● ◆ 臥 龍 通 信 第 59号 ◆ 国連(連合国)問題と日本外交 分野別インデックス--220 各国史・各国事情--−国際派 北朝鮮の拉致をテロと断言できぬ日本政府のだらしなさを糾弾する−漁火 〜サイト内記事〜 拉致 日本人を規制しながら朝鮮人を保護する新潟県港湾管理局 「国民にも救出の責任」=特定失踪調査会が見解 蓮池透さん講演会“圧力”で演題変更 企画団体会員が無言電話1分間6回 北朝鮮:在日コリアンに工作員有り 国内:拉致を取り上げない選挙に嘆く家族会 国内:救う会の乗っ取り作戦始動中?! 北朝鮮:拉致を謝罪しておきながら実行犯を放置か?! 総連 北朝鮮:日本への主権侵害を棚上げしつつ、総連対策に不満 国内:公のモノとして税金免除されている総連施設の使い方 北朝鮮:日本の主権を蔑ろにして置きながらの著作権の主張 国内:北の著作権の主張に対する各社の対応 中国の人権 中国:中国の警告を押し切って人権問題を米で表面化 中国:米国は人権問題を取り上げるが日本は取り上げない 中国:反米国と北朝鮮のパイプ役、ですか? 中国:日本の人権団体は何をやってるんでしょうね 中国:重慶での反日思想教育の成果 中国:中国外省のアジア杯での反日行為の言い訳 中国:アジア杯での報道されない嫌がらせ 中国:アジア杯終結後のそれぞれの反応 中国:日本に文句を言わなければ納得できないんでしょうか? 中国:チベットの領土支配の主張に元を持ち出す 中国:国家権力により封じられたデモ活動 中国:チベットの領土支配の主張に元を持ち出す チベット:チベットの人権侵害を理由にIOCへ直訴 2004年9月13日更新
〜各国の人権問題〜
■2.なぜこんなに反対国、棄権国が多かったのか?■
産経新聞はこの件をこう論じた。
そもそも、なぜこんなに反対国、棄権国が多かったのか。
外務省は「人権委の大半の国が国内に人権問題を抱えて おり、他国を非難すると自国に累が及ぶ。また、今回の決 議は欧州連合(EU)提出だが、途上国は旧宗主国である 欧米の価値観による決議には自動的に『ノー』となる」 (幹部)と説明する。中国は天安門事件やチベット問題、 ロシアはチェチェン問題を抱えているというわけだ。
ただ、外務省も手をこまねいてみていたわけではないと いう。外務省やEUの見立てでは今回の決議の賛否は当初 拮抗(きつこう)しており、採決に持ち込むため「国別に 細かい作戦を立てた」(外務省幹部)。
具体的な外交努力としてはジュネーブや相手国首都で賛 成を働きかけ、「七、八カ国が賛成に回った。普段は反対 票を投じる国が棄権に回った」(外交筋)との見方もある。 説得の際、ODA見直しに具体的に言及したケースもある という。[2]
ODAを餌に「賛成を働きかけ」なかったら、「賛否は当初 拮抗して」いたので、否決された恐れもあったのである。こう してようやく成立した非難決議も、通常、会期中に百件前後、 提出される決議案の一つに過ぎない。
その後、人権委員会の作業部会では横田めぐみさんの母、早 紀江さんが証言したり、曽我ひとみさんの手紙が代読された。 それでも本年4月17日に2回目の北朝鮮非難決議が採択され た時も賛成29、反対8、棄権16で、賛成が1票増え、反対 が2票減ったに過ぎない。北朝鮮の人権問題を調査する特別報 告者の任命も初めて盛りこまれたが、北朝鮮は従来からそうし た特別報告者の受け入れを拒んでいるので、実現は期待薄であ る。
■3.人権委員会は人権問題に貢献できるのか?■
以上の経過から浮かび上がってくる人権委員会の実像とは:
・中国やロシアなど多くの参加国は、自国内の人権問題に波及 しかねない決議には反対する。 ・そのためには、北朝鮮国民の悲惨な人権状況にも、日本人拉 致という明確な人権侵害にも、非難の声をあげない。 ・たとえ非難決議が採択されたとしても、ほとんど実効を持た ない。
こんな人権委員会が、はたして拉致問題の解決、いや広くは 世界の人権問題の解決にいささかでも貢献できるのだろうか? 53カ国もの国々から多くの代表が集まってこの有様では、壮 大な費用と時間のムダとしか言えないのではないか?
しかし、これは人権委員会だけの問題ではない。そもそも国 連の中心的機関たる安全保障理事会ですら、その実態は同様な のである。(※2)
※2:国連幻想−国際派 〜日本の外務省〜 国内:外務省がODAを増やしたい本当の理由? 〜参考〜 「救う会」全国協議会 ●周りの国はすべて敵?● ◆ 臥 龍 通 信 第 59号 ◆ 国連(連合国)問題と日本外交 分野別インデックス--220 各国史・各国事情--−国際派 北朝鮮の拉致をテロと断言できぬ日本政府のだらしなさを糾弾する−漁火 〜サイト内記事〜 拉致 日本人を規制しながら朝鮮人を保護する新潟県港湾管理局 「国民にも救出の責任」=特定失踪調査会が見解 蓮池透さん講演会“圧力”で演題変更 企画団体会員が無言電話1分間6回 北朝鮮:在日コリアンに工作員有り 国内:拉致を取り上げない選挙に嘆く家族会 国内:救う会の乗っ取り作戦始動中?! 北朝鮮:拉致を謝罪しておきながら実行犯を放置か?! 総連 北朝鮮:日本への主権侵害を棚上げしつつ、総連対策に不満 国内:公のモノとして税金免除されている総連施設の使い方 北朝鮮:日本の主権を蔑ろにして置きながらの著作権の主張 国内:北の著作権の主張に対する各社の対応 中国の人権 中国:中国の警告を押し切って人権問題を米で表面化 中国:米国は人権問題を取り上げるが日本は取り上げない 中国:反米国と北朝鮮のパイプ役、ですか? 中国:日本の人権団体は何をやってるんでしょうね 中国:重慶での反日思想教育の成果 中国:中国外省のアジア杯での反日行為の言い訳 中国:アジア杯での報道されない嫌がらせ 中国:アジア杯終結後のそれぞれの反応 中国:日本に文句を言わなければ納得できないんでしょうか? 中国:チベットの領土支配の主張に元を持ち出す 中国:国家権力により封じられたデモ活動 中国:チベットの領土支配の主張に元を持ち出す チベット:チベットの人権侵害を理由にIOCへ直訴 2004年9月13日更新
〜日本の外務省〜
〜参考〜
〜サイト内記事〜
2004年9月13日更新
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