福岡県沖の玄界灘で共和水産(境港市栄町)所属の巻き網漁船第18光洋丸が貨物船に衝突され、沈没した事故で、殉職した第18光洋丸乗組員七人の合同慰霊祭が六日、同市上道町の市民会館で執り行われた。葬儀委員長を務めた同社の和田耕治社長は「苦楽をともにした乗組員を失い痛恨の極み」と告別の辞をささげ、港町は深い悲しみに包まれた。
慰霊祭には共和水産の関係者や殉職者の遺族をはじめ、国会議員の相沢英之、田村耕太郎、山内功の三氏や山陰合同銀行の丸磐根会長ら地元の政財界人、一般の会葬者ら約千人が弔問し、殉職した七人の遺影を前に黙とうをささげた。
告別の辞で、和田社長は「このような事故が二度と起きないよう原因究明し、安全対策に万全を尽くす。ご家族やご遺族に最大限の支援をします」と殉職者のめい福を祈り、鳥取県の平井伸治副知事や境港市の黒見哲夫市長が弔辞を読み上げた。
第18光洋丸の乗組員を代表して通信長の松添松好さん(53)は「残された我々が新生第18光洋丸船団を立ち上げて優秀な船団に成長することが、亡くなった方々への供養。七人の英霊は心の中で生き続けている」。
また、遺族を代表して小島幸則漁労長の長男、貴大さん(20)=長崎大学生=が「犠牲になられた家族の方々と互いに慰め、励まし合って生きていきます」と哀悼の辞をささげ、弔問者らが焼香した。
事故は七月二日未明に発生。投網作業中の第18光洋丸がパナマ船籍の貨物船に衝突され、乗組員二十一人のうち一人が死亡、六人が行方不明になった。共和水産は今後、相手船側との補償交渉や家族、遺族の支援をはじめ、第18光洋丸船団の再建に向けた取り組みを本格化させていくという。
引用元:日本海新聞