北朝鮮10基地でミサイル活動、大規模訓練か
北朝鮮軍が弾道ミサイル「ノドン」(射程約1300キロ・メートル)の発射準備とも見られる動きをしている問題で、北朝鮮国内約10か所のミサイル基地で同様の動きが見られることが25日、分かった。
複数の日米政府関係者が明らかにした。ミサイル発射部隊だけでなく、その他の陸海空軍も各地で活発な活動をしている。関係者は「北朝鮮軍全体による大規模な訓練を展開しているのではないか」とし、先に判明した北朝鮮東部地域でのミサイル発射準備の動きも、その一環との見方を強めている。政府は防衛庁に警戒監視態勢を強めるよう指示した。
北朝鮮軍の各地での動向は、日米の偵察衛星や電波収集による情報に加え、21日から警戒監視のため出動している電子戦データ収集機EP3が収集した情報などで、明らかになった。
日米の関係者によると、北朝鮮のミサイル部隊と陸海空軍各部隊は、主に平壌北方の新五里(シンオリ)にあるノドン基地からの指令で行動している。各基地周辺では、ミサイルに注入する液体燃料を積んだ車両をはじめ、軍用車両、軍人、ミサイル技術者などが集結している。
ただ、ミサイル本体や発射装置などは確認されていないほか、ミサイルを発射した際、着弾海域の警戒や着水したミサイル部品を回収する艦艇も出動していないという。
このため、政府関係者は「ミサイル部隊を中心にした全軍による大規模訓練の可能性が強まった」とし、ミサイル発射の可能性については、「かなり低いのではないか」との見方を強めている。
北朝鮮では毎年1回、陸海空3軍統合の訓練が行われているが、ミサイル部隊を加えた、今回のような大規模な動きは極めて異例だという。
日米の軍事関係者は、今のところ、各部隊が個別に活動していると見ており、今後、全軍を統一した形での訓練に移行するかどうか、注視している。
ミサイル部隊の活動が確認されたのは、すでに判明していた元山(ウォンサン)など北朝鮮東部のミサイル発射基地に加えて、北東部や西部など北朝鮮各地の発射基地など計10か所程度にのぼる。特に中東部などでは、新たなミサイル関係施設も判明した。ミサイル部隊の活動がいつから始まったかは不明だという。
北朝鮮軍の動きを受けて政府は、日本海などでの警戒監視が長期化する可能性があると見ている。防衛庁は、情報本部などの情報収集と海上自衛隊による警戒監視について、警戒レベルを平時のレベル5からレベル4に引き上げた。近く予定していたイージス艦「こんごう」の定期点検を延期し、警戒を強化する方針だ。
(2004/9/26/03:02 読売新聞 無断転載禁止)
[9月26日03時02分更新]
引用元:読売新聞
■実験は新型ノドンか 射程3600キロ、核弾頭搭載可能 米政府筋
【ワシントン=古森義久】北朝鮮で発射準備を疑われる弾道ミサイルは、「ノドンB」と呼ばれる新型との情報が二十五日、米国政府筋から明らかにされた。「ノドンB」の射程は従来の「ノドン」より長い最大三千六百キロとされ、核弾頭の搭載や水上艦からの発射も可能とされ、日本や米国にとっての脅威はきわめて大きいという。
東アジア情勢に詳しい米国政府筋は、北朝鮮でいま人員や車両、機材の集結など発射準備とも解釈できる動きをみせている弾道ミサイル基地について、この動きの対象となっているのは従来のノドン1号(射程約千三百キロ)ではなく、米英両国の関係者から「ノドンB」あるいは「R27」と呼ばれる北朝鮮では新型の中距離弾道ミサイルだろうと述べた。
ノドンBは旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイルSSN6をモデルとし、北朝鮮が改良を加えた新鋭ミサイルで、昨年九月ごろから米国や韓国側に配備の動きを探知されていた。英軍事専門誌「ジェーン・ディフェンス・ウイークリー」でもこの八月に「北朝鮮が新ミサイルを開発し、配備過程にある」と公表し、ノドンBをモデルの旧ソ連潜水艦ミサイルの名称R27とも称していた。
従来のノドンより小さい点が特徴とされ、北朝鮮の長距離ミサイルのテポドンとの違いは、テポドンが二段あるいは三段発射なのに対し、ノドン型が単段式の点だという。
米国議会調査局の「北朝鮮の弾道ミサイルの米国への脅威」という報告書最新版によると、ノドンBは射程三千キロから三千六百キロ、搭載弾頭重量約七百キロで、北朝鮮が製造できる範囲の核弾頭の搭載も可能とされる。さらに車両移動や艦艇に積載して海上からの発射も可能のため、探知が難しく脅威は大きくなる。
同報告書はさらにノドンBの射程が三千五百キロに達すればグアムの米軍基地が攻撃でき、二千五百キロなら沖縄の米軍、自衛隊の基地が攻撃可能範囲に入る点に意味があると指摘している。
しかし、ノドンBの実際の発射の可能性について、この米国政府筋は「いまのところ発射の見通しを裏付ける証拠はなく、米国や日本への外交戦略上の揺さぶりのために発射を思わせる種々の動きをとっている公算が大きい」と述べた。同筋は北朝鮮が九九年夏にもミサイル発射準備に似た動きをみせ、その動きは二カ月近くも続いたことを指摘し、当時の北朝鮮の目的は米国のテロ支援国家リストから自国を除かせることだったようだ、と語った。(09/26)
[9月26日??時??分更新]
引用元:産経新聞
〜コメント〜
北朝鮮が核開発を米国の核や敵視の為だと言っていた事を挙げて、日本も今後この様な態度を北朝鮮が続けるのであれば、国家存続の為長距離爆撃機や弾道ミサイルの開発を行うと発表してはどうでしょう。
国内向けには国防費が膨らんでしまうが、在日米軍の削減だけでなく完全撤退も可能になると言って沖縄を味方につけつつ、外交面では北朝鮮だけでなく中国や韓国も批判してくるでしょうが、それを逆手にとって6ヶ国協議などでの北朝鮮への姿勢を改めさせる機会とし、日本を責める前に北朝鮮の核やミサイル問題を責めるべきと主張してはどうでしょうか?
・・・絶対そんな事は言わないし、国策にならないでしょうね。
- 参考
- 北朝鮮問題−産経
- 北朝鮮−毎日
- 日朝平壌宣言−外務省
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